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2006年8月11日 (金)

PLCモデムにコモンモードフィルタをつければ電波は出ない?!?

えっ、漏洩電界低減技術って、単なるコモンモードフィルタのことだったの?
えっ、しかもそれって、モデムのところに入ってるだけなの??
えっ、その後ろに何がつながっていても電波出ないって???

もう、唖然の3乗くらいです。
これは、明らかにアマチュア以下です。
(失礼な物言いお許し下さい。最後まで読んでいただければ分かります。)

このブログをはじめてから、いろいろ検索してるんですが、最近はアマチュアでもインターフェア対策として、コモンモードフィルタをお使いの方が多いんですね。これは、非常に良いことだと思います。アンテナが不平衡の場合、アンテナのところで、ディファレンシャルモードからコモンモードへの変換が起こりますから、そのコモンモードが給電線の方に戻ってしまうと、給電線がアンテナになって輻射してしまうので、不味いですね。それを阻止するには、給電点にコモンモードフィルタを入れるのが有効です。

ところが、アンテナが不平衡か平衡かに関わらず、給電線のコモンモードは不平衡なアンテナのようなものですから、アンテナから輻射された電波を拾って再輻射してしまいます。ですから、昔はこれを防ぐために給電線を地下に埋めたりしたんですね。最近では、コモンモードフィルタというかフェライトビーズを給電線の両端に入れてる例が多いようです。厳密に言うと、再輻射を完全に防ぐには両端だけでは不十分で、λ/4毎に入れる必要がありますが、さすがにそれをやってる人は少ないようです。

両端だけでも意味はあります。送信機側のコモンモードフィルタは、再輻射を防ぐというよりは、給電線を逆流してきたコモンモードが送信機に悪影響を与えるいわゆる回り込みを防ぐ意味で挿入されています。

それで、本題のPLCに戻ると、PLCの漏洩電界低減技術って、要するにコモンモードフィルタをモデムのお尻に入れるっていうことみたいですね。正直言って、呆れました。これって、結局、「送信機と給電線の間にコモンモードフィルタを入れれば、給電線のさきにどんなアンテナがつながっていようが、給電線からもアンテナからも電波は出ません」って言っているのと同じことですね。いやー、参りましたね。さすがに、ここまで酷い勘違いをされると、フォローのしようもありません。これはもう科学とか技術の世界ではなくて、迷信とか妄信の世界ですね。

こんな初歩的な勘違いが、こともあろうか総務省の研究会とかCISPR委員会で、平気でまかり通っていることに、驚きというか恐怖を感じます。この国の科学技術は、確実に空洞化してます。耐震強度偽装や薬害エイズ、へたれ牛BSEなど、他人事かと思っていましたが、そうじゃなかったんですね。日本が誇るエレクトロニクスでも、確実に病気が進行していたことになります。しかも、CISPR委員会という電磁障害問題の中枢を担う超エリートの専門家集団も、国側でその責任を担っているはずの総務省の電波環境課も、誰一人として、この初歩的な間違いに気づかないとは、大変恐ろしいことです。私が、もしも総務大臣ならば、これらの無能な人達を全員即刻くびにして、総入れ替えします。竹中大臣聞いてますか?

今日締め切りのパブリックコメントですが、これはもうPLCに賛成とか反対とか関係なく、良識あるエレクトロニクス技術者として、きちんとしたコメントを出さないと、本当にこの国はおかしくなってしまいます。

2006年8月 8日 (火)

PLC:賛成か反対か以前に間違ってるんですけど

前回のフォールデッドダイポールはMMANAで追試していただけましたか?この根本的に間違ったPLC許容値案を葬り去るために、どうぞご自由にお使い下さい。このままお使いいただいても結構ですが、条件を変えて計算した結果を提出していただくと、それだけ多くのデータが集まるので、説得力が増すと思います。例えば、周波数をどの程度ずらしてもアンテナとして働くか?ダイポールやフォールデッドダイポールは、広帯域アンテナの部類に属します。(アマチュアの皆さんはVSWRを異常に気にされるので反論されるかもしれませんが。) それから、お見せした例は、両側の長さがほぼ等しくなっていますが、実は、これを多少非対称にしても、それほど特性は変わらないはずです。そんな丁度同じ長さの配線なんかあり得ないという反論が聴こえてきそうなので、予め非対称な場合の計算もしておいて、幼稚な反論の手間を省いてあげましょう。それから、お宅の配線に実際にフォールデッドダイポールになりそうな部分があれば、その実寸でのシミュレーション結果も説得力があるでしょう。

今日は夜中からココログのメンテナンスが入るみたいなので、MMANAのアンテナデータのダウンロードはお早めに!

パブリックコメントと意見聴取申し込み(準備書面の提出)の締め切りが11日(金)に迫ってますね。今回提案されているPLCの許容値(規制値?)は、高周波的な考え方が完全に間違ってますので、PLCに賛成か反対かに関わらず、この許容値にはノーでしょうね。PLCに賛成なら、なおさらノーと言うべきだと思います。間違った考え方で、甘過ぎる許容値が決まっても、出荷即リコールとなるだけで、何も嬉しいことはないでしょう。それとも、いくらリコールリスクが高くなろうが、論理的・物理的根拠が全く無かろうが、許容値は甘ければ甘いほど良いなどと、考えている人が今時いるのでしょうか?40年前の公害の教訓を忘れた人がいるとは信じられないんですが。

今回は、パブリックコメントと同時に、電波監理審議会という(これまで本件を扱ってきた電波環境課とは比較にならないほど)信頼できる審議会の意見聴取が行われるので、前回の研究会のようないい加減というかゴミ箱に捨てるような扱いをパブリックコメントに対してできないはずです。もしも、同じ意見が両方に提出されていて、電波監理審議会の方では真摯に公平に考慮されたのに、パブリックコメントの方では前回のように木で鼻をくくったような回答や、都合が悪いので無視して公開さえしないというような対応を総務省が取った場合、どうなるか考えて見てください。ですので、前回のパブリックコメントを完全に無視された人も、がっかりしないで、同じ内容でも、「前回無視されたがここが納得できない」と明記して、もう一度提出してみる価値が十分あると思います。なんせ、研究会は結論そのものが間違っていたので、その間違った結論に基づいて却下された正しいコメントは無数にあったはずです。

さすがに、いっかいの技術者に過ぎない私でも、この案の本質的な問題点にはすぐに気づくくらいですから、学識経験者や利害関係者のみなさんが、まったく気がつかないということはあり得ないと思います。というか、当然気づいて、意見聴取に出席して、少なくとも私が気づくくらいのことは、陳述していただけると信じたいです。もしもそうなれば、この根本的に間違っている案は、通るはずがありません。私から見れば当然ですが、CISPR委員会を通った段階で既定路線通り秋に解禁なんて皮算用していた愚かな人達(含む、一部のマスコミ?)からすれば大どんでん返しです。ですから、前回失望して戦意を喪失してしまった皆さんも、最後の大どんでん返しの主人公になってみませんか?ここでくじけてパブリックコメントを出さなければ、きっと選挙に行かずに開票速報を見るようなつまらなさを感じると思います。パブリックコメントで言うべきことをきちんと言って、良識ある電波監理審議会の審議を見守りましょう。

何か今日は説教くさくなってしまったと反省。若者の言うべきことじゃなかったなぁ。

2006年8月 5日 (土)

うちにもあった電力線フォールデッドダイポール

さて、電力線アンテナコンテストですが、いきなり三部門制覇の最有力候補を見せてしまいましょう。入力ファイル「PLC_FOLDED_DIPOLE_BENT.maa」をMMANAでシミュレートして見てください。

配線図、Plc_folded_dipole_bent_1




輻射パター ン、Plc_folded_dipole_bent_pattern_1




電流分布Plc_folded_dipole_bent_current




もお見せします。 種明かしをしてしまえば、多くのアマチュア無線家の皆さんが以前から指摘されているフォールデッドダイポールアンテナです。スイッチは閉じた状態です。これは、木造二階建ての我が家の二階で見つかったものなので、地上高は2.5mで計算してます。2つのエレメントの角度が直角で、さらにスイッチ側が天井裏から手が届く壁スイッチの高さまでベントされているので、給電点インピーダンスは、通常のフォールデッドダイポールの半分程度に下がってますが、それでも本線から十分VSWR低く給電されます。ベントしているので垂直成分が少しありますが、支配的な水平偏波成分の輻射パターンは典型的なダイポールの8の字に近く、数dBのゲインがあり、打ち上げ角も35度程度と低くなっています。エレメントの寸法は片側3mで、共振周波数は25.25MHzです。電流分布を見ると、両エレメントの電流はバランスしているので、本線のディファレンシャルモード電流だけで駆動されることが分かります。一方の先端は閉じたスイッチで0Ω、他方は照明負荷の100Ω(研究会に合わせて100Wの電球とした)で、一見バランスしていないように見えますが、共振点では、両端は電流最小点なので、照明負荷の影響はなく、100Ωであろうが250Ω(40W)であろうが、同じことです。

前々回は、複数のスイッチ分岐の少し難しい話をしすぎたと反省してます。また、屋内配線の定石(スイッチはホット側に接続)を考慮すると、スイッチ分岐2つで作ったダイポールの例は適切ではありませんでした。複数のスイッチ分岐による輻射は真面目に研究すべき課題ですが、今は時間が無いので割愛します。

スイッチ分岐には、配線形態によってL型とY型の二種類があります。Y型の場合には、単体のスイッチ分岐で、今回紹介したようなフォールデッドダイポールを形成する可能性があります。Y型のスイッチ分岐は、通常の民家ではうちのものと同程度かそれよりも少し小さなものが多いはずなので、フォールデッドダイポールの共振周波数は24MHz~30MHz辺りとなります。結論として、フォールデッドダイポールが形成されていても漏洩電界が許容値を超えないように、ディファレンシャルモード電流の値を規制しなければなりません。コモンモード電流だけの規制では、頭かくして尻隠さず(というか、尻だけ隠して頭隠さず)ということになります。何せPLC-Jの皆さんの必死の主張によると、LCLは30dBもあるそうなので、ディファレンシャルモード電流によって、フォールデッドダイポールのような効率の良いアンテナが駆動されると、しゃれにならないレベルの強電界が発生し、遠距離まで電離層伝播することになります。

2006年8月 2日 (水)

MMANAとNEC2による電力線アンテナのシミュレーション(1)

さて、電力線アンテナコンテストの続きです。シミュレーションのやり方を詳しく書きませんでしたので、少しハードルが高くてまだ試していないという方がおられるかもしれません。

備忘録程度のアップデートしかできなくて申し訳ありませんが、書かないと本当に忘れてしまいそうなので、シミュレーションのヒントを書いておきます。

◆MMANA 対  NEC2 for MMANA
電力線からの輻射を、職場のツールを使わずに、個人的にシミュレートするために急遽探して来たので、実は私もこれらのソフトを使うのは今回が初めてです。なので、勘違いしていることがあるかもしれないので、お気づきの方は是非ご指摘・ご指導をお願いします。

MMANAはminiNECベース、NEC2 for MMANAは文字通りNEC2ベースです。違いとしては、MMANAではインピーダンスの計算にリアルグランドが反映されず完全導体上の計算になります。どちらも輻射パターンにはリアルグランドが反映されますが、導線がグランドに近いところにある場合は、NEC2の方が正確に出るようです。また、NEC2の方は、被覆の誘電率を考慮することもできます。論文に掲載されているデータなどはNEC2で計算したものが多いので、最終結果は可能ならNEC2を使うと良いでしょう。

一方、MMANAには最適化(単純スキャンも可能)など便利な機能があるので、広い周波数範囲のデータを調べるのは、こちらの方が簡単です。GUIも良いので、時間が無ければ、こちらをメインに使う方が効率的です。

◆VVF線の伝送線路としての特性
屋内配線の線材は、研究会に合わせてVVF 1.6mmφ 2芯としました。(他に2mm, 2.6mmなどもよく使われます。) 注意点は、導線の太さは半径で入力するので、0.8mmとなることです。)導線の中心の間隔は3.2mmです。NEC2 for MMANAでは、さらに被覆の半径を1.6mm、誘電率を3とすれば、実際のVVF線に近づきます。(さらに外側の外皮は入ってませんが。)

実際のVVF線には被覆と外皮があるので、その特性インピーダンスを、私は知りません。
職場ではネットアナで計れるのですが、適当なVVF線の在庫がありませんでしたし、職場のリソースは使わないのが方針です。今回は、特にMMANAでは被覆の無い裸導線としてシミュレートすることになるので、その場合のインピーダンスを知っておく方が良いです。シミュレーションでは456Ω程度と出ました。どうやってやるかって?それは、同じ長さLの伝送線路の受端をショートした場合とオープンにした場合の送端から見たインピーダンス(複素数)をかけて、平方根を取ります。
∵ Zshort=Zo tanh(γL),  Zopen=Zo coth(γL), γ:伝搬定数, Zo:特性インピーダンス

NEC2 for MMANAで被覆を先ほどの条件にした場合は333Ω程度になると思います。

いずれにしても、数百Ωであることを覚えておいて下さい。VSWRなども50Ωではなくて、このZoでの値に意味があります。

◆入力ファイル
MMANAの「アンテナ定義」で入力して、「アンテナ形状」で確認します。テキストファイルなので、後でエディターで編集することもできます。実際には、アンテナ確認画面で細部をチェックするのは難しいので、ちょっとノウハウが必要です。それは、実際にシミュレーションして、電流分布を表示させて、不自然なところがないかどうかを複数の周波数でチェックすることです。そうすれば、つながっているべきところがつながっていなかったり、その逆だったりというところが見つかります。(それには、ある程度、電流分布がどうなるかという直感が必要ですが、高周波や無線関係者なら、たぶん大丈夫でしょう。)画面で、導線をクリックすれば、その導線が太く表示されます。ダブルクリックすれば、編集もできます。

◆NEC2 for MMANAでの注意点
リアルグランドでは、地面に接触している導線があると計算できないので、片線アースなどは外します。片線アースの影響は軽いとPLC-Jの皆さんが必死でアピールしてますし、我々はLCLやコモンモード電流でなく、ディファレンシャル電流からの輻射に興味があるので、アース線は無くても良いと思います。むしろ、アース線は、コモンモード電流を強調して、他の効果をカモフラージュするために付けたんじゃないかと疑いたくなるくらいです。

◆高さ
前回見せたモデルでは、研究会に合わせて高さ0mとしてますが、2階なら2.5mとか3mでも良いはずです。輻射パターンやゲインはかなり良く(悪くというべきか)なるので、要チェックです。木造2階建ては我が国では非常に多いですから。

◆スイッチ
私は、スイッチは、R+jXの集中定数としておいて、R=0ΩでON, R=10MΩでOFFを表してます。そうしておくと、MMANAでもNEC2でも、簡単な数字の変更だけでON/OFFできます。

眠いので、つづきは、また明日書きます。

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